マイホームを購入するにあたり、ほとんどの人が住宅ローンを利用しますよね。
ただ、借入金額が高くなることから、住宅ローンの審査は車や家電のローンに比べて厳しいと言われています。
とくに、会社員や公務員ではなく自営業者の場合は通常の審査よりも厳しくチェックされる可能性が高いです。
とはいえ、自営業といっても個人事業主と法人経営者では大きく異なります。
今回はつくねの実体験を交えながら「住宅ローン審査における個人事業主と法人経営者の基準の違い」をテーマに紹介していきます。
自営業者の住宅ローン審査は厳しい理由とは?
前回の記事でもお話させていただきましたが、自営業者の住宅ローン審査は厳しいです。
とくに個人事業主の場合は確定申告書の提出が必要であり、節税対策をしている方は借入額が非常に少なくなったり、そもそも基準に満たしていなかったりします。
住宅ローンの審査基準は個人事業主と法人経営者で変わる
自営業といっても、個人事業主と法人経営者では審査基準が異なります。
個人事業主が住宅ローンの審査を受ける場合
個人事業主の場合は確定申告書をもとに総合的に審査されます。
そのため、節税対策によって所得を低くしている場合は住宅ローンを組むことは非常に難しいでしょう。
ましてや、非課税申告している場合はそもそも住宅ローンを組むことはできません。
ただ、個人事業主の場合、経費計算していなくても、青色申告特別控除などによって所得を抑えている場合があるでしょう。
しかし金融機関は青色申告特別控除やそのほかの控除を考慮せず、確定申告書に記載された「所得」で審査を行います。
青色申告特別控除や生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除などを合わせると100万円以上控除されることがあります。
住民税や所得税が下がり、国民健康保険料についても控除前よりも低い保険料になるでしょう。
たとえば、300万円の売り上げがある場合、100万円の控除があると所得は200万円となります。
※経費計算なしの場合
もちろん自由に使えるお金は300万円あるので、300万円という額で審査してもらいたいところですが、難しいのが現状。
実際は控除された後の200万円が審査の対象になります。
控除というのは税金や保険料を低く抑えられるメリットはありますが、住宅ローンの審査ではデメリットでしかないのです。
ただ、個人事業主の方で住宅ローンを組むために、修正申告をする方がいらっしゃいます。
修正申告で控除額を減らしたり、損金算入を減らしたりすれば、所得額が上がるので住宅ローン審査に有利になる可能性があるからです。
しかし、修正申告については現実的ではなく、あまりおすすめはしません。
というのも、修正申告を行うタイミングによっては過少申告加算税や重加算税が科せられてしまうのです。
つまり、住宅ローン審査のために所得額を増やそうと修正申告を行った場合、通常よりもはるかに高い税金を支払わなければらなくなります。
新たに納めることになった税額のほかに、その税額の10%(場合によって15%)の過少申告加算税又は35%(場合によって40%)の重加算税がかかります。
(※出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/07.htm)
個人事業主の方が住宅ローンを組む場合は、計画的に確定申告を行うことをおすすめします。
一般的な金融機関の場合は3年分の確定申告書の提出が必要です。
そのため、3年間は節税対策を控えめにして所得をしっかりと挙げることが大切です。
ただ、フラットであれば1年分の確定申告で審査にかけることが可能です。
したがって、少なくとも1年間は所得を上げられるように売り上げアップに努めるか、節税対策を控えるなどの対策が必要といえるでしょう。
法人経営者が住宅ローン審査を受ける場合
法人経営者の場合は個人事業主と審査の仕方が異なります。
法人経営者は給与所得なのが一般的です。
つまり、会社から給与をもらっているので、会社員と同じ扱いなのです。
ただ、金融機関によっては決算書の提出が必要になります。
決算書については最低で1期分、もしくは過去3期分の提出が求められるでしょう。
そのため、個人事業主の確定申告書と同じ年数分が必要になるのです。
ただし、例外があります。
フラットであれば、決算書の提出が必須ではありません。
法人経営者はあくまでも給与所得という立場なので給与明細もしくは源泉徴収票を提出すれば審査してもらえます。
ここでポイントなのがフラットの場合は設立年数と問わないということ。
つまり、新設会社であっても、給与明細を提出すれば審査してもらえるのです。
つくねの場合は法人経営者なので、給与明細で審査にかけて事前審査をパスしています。
住宅ローンは法人化すれば通りやすい?
フリーランスや個人事業主の場合、確定申告書の提出が必要なので、所得が低いことから住宅ローン審査が厳しいのが現状です。
法人化すれば役員報酬となるので、給与明細を発行するようになります。
そのため、裏技的にはなりますが給与明細をもってフラット取り扱う窓口の事前審査を受けられるでしょう。
ただ、やみくもに法人化すればよいというわけではありません。
法人になると、赤字であったとしても法人税を支払う必要があります。
さらに、売り上げが低い場合でも決められた役員報酬を必ず支払わなければなりません。
そのため、経営的リスクが生じるともいえるでしょう。
つまり、住宅ローンのために法人化設立をするのはリスクがあるということです。
もちろん、将来的に法人化する予定の方や法人化したほうがさまざまな面でメリットがあるという方は、住宅ローン審査のタイミングで法人化するのも良いでしょう。
住宅ローンのまとめ
今回は個人事業主と法人経営者の住宅ローン審査基準の違いについて紹介しました。
というのも、自営業の方に関する住宅ローンのコンテンツが非常に少ないと感じたのです。
実際、つくねが住宅ローンの事前審査を受ける際、インターネットでたくさん検索しました。
しかし、自営業者の住宅ローン審査に関する記事が非常に少ないのです。
とくに法人経営者についてはほとんどありませんでした。
これからフリーランスがさらに増加すると予測されています。
そして、フリーランスといっても個人事業主なのか一人社長(法人)なのか、さまざまなタイプがあります。
今回の記事が自営業の方がマイホームを計画する際の参考になれば良いなと思います。