今回は「トヨタホームとセキスイハイム」の違いをテーマに実は知られていない違いやそれぞれの特徴、さらにどういう方におすすめなのかを紹介します。
- トヨタホームとセキスイハイムの違いが知りたい
- トヨタホームはどういう人におすすめか知りたい
- セキスイハイムはどういう人におすすめか知りたい
トヨタホームとセキスイハイムの違いを伝える前に
※セキスイハイム公式ホームページより
トヨタホームもセキスイハイムも”同じ”ユニット工法の鉄骨住宅で、工場生産ということもあり、それぞれどのような違いがあるのかあまりわからないという方も多いでしょう。
実際、つくね自身も「トヨタホームとセキスイハイムって何が違うの?」って思っていたこともあり、セキスイハイムの営業さんに聞いたことがあります。
セキスイハイムは大手ハウスメーカーとして古株ということもあり、たくさんの施工棟数があります。
一方、トヨタホームはあまり見かけないという方も多いでしょう。
ただ、愛知県や岐阜県では、トヨタのお膝元ということもあり、棟数が多いようです。
今回、トヨタホームとセキスイハイムの違いを紹介するにあたり、前置きをしておきます。
どちらが優れているのか、どちらがよいのかという判断はそれぞれに委ねられるということ。
つくね自身がトヨタホームの施主ということなので、どちらかというとトヨタホームの良いところを紹介するニュアンスが強くなってしまうかもしれません。
しかし、だからといってセキスイハイムが劣っているわけではないということをお伝えしておきます。
セキスイハイムはトヨタホームと比べものにならないほどの施工実績があり、家づくりのノウハウも持っています。
実際、トヨタホームの社員がセキスイハイムの工場に見学に行くということもあるようです。
今回の記事ではトヨタホームをアピールするような内容が含まれるかもしれませんが、それを踏まえた上でハウスメーカー検討の一つの参考材料にしていただければと思います。
トヨタホームとセキスイハイムの違いとは
※トヨタホーム公式ホームページより
トヨタホームとセキスイハイムはどちらも工場生産を行っているハウスメーカーであり、似ているところが多々あります。
しかし、検討を進めていくと、同じ工法であっても違いがたくさんあることがわかります。
鉄骨の太さが違う
※トヨタホーム公式ホームページより
トヨタホームとセキスイハイムでは鉄骨の太さが異なります。
セキスイハイムでは基本的に100mm×100mmの鉄骨を使用していますが、トヨタホームでは125mm×125mmの鉄骨を使用しています。
トヨタホームのほうが太い柱を使っており、1本の柱で耐えられる重量が178.4Nと業界トップクラスの強度を誇っています。
178.4Nがどれくらいすごいのかというと、1本の柱でプリウスを12台支えられるくらいの強さです。
※50系プリウスの場合
ちなみにトヨタホームのカタログには「100ミリ角の鉄骨の約2倍の強度」と書かれており、セキスイハイムを意識しているとも取れます・・・。
鉄骨の塗装仕上げが違う
鉄骨の太さが異なる以外にも塗装に違いがあります。
鉄骨はシロアリの影響はないものの、「サビ」対策をしっかりしておかなければ、重大なトラブルを引き起こしかねません。
そこで、鉄骨メーカーではさまざまな対策が取られています。
セキスイハイムではZAMという溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金メッキが使われています。
なんだそれ?と思われる方も多いかもしれませんが、ZAMは精密機械や特殊設備などに使用されることもあり、結構すごいメッキ技術ですよ。
ちなみにZAMは自動車や家電などにも使われており、意外と身近なものに使用されています。
一方、トヨタホームではカチオン電着塗装が採用されています。
カチオン電着塗装というのは塗料の入った電着槽に鉄骨を浸して、耐久性の高い樹脂塗料を電着させる塗装技術です。
自動車にもカチオン電着塗装が採用されていますね。
※トヨタホーム公式ホームページより
トヨタホームではトヨタ自動車のカチオン電着塗装の技術を家づくりに応用しています。
セキスイハイム、トヨタホームでは異なる塗装仕上げとなっていますが、どちらも優れた塗装技術です。
どちらが良い悪いというのは、非常に難しいところではあります。
つくねは仕事でZAMを扱った(設計で取り入れた)ことがあるので、これまでの経験から独断と偏見でお話しします。
ZAMは長寿命という印象があり、メンテナンスできないような製品にも使われるイメージがあります。
また、一般的なメッキ処理よりも工程が少ない分、コストダウンできるでしょう。
さらに、ZAMは犠牲防食作用があるので、傷がついてもZAM自らの力で保護被膜を形成していくという特徴があります。
これだけ聞くとセキスイハイムの塗装技術のほうが良い!となるかもしれません。
実はトヨタホームでもZAMを使用しているのです!!
トヨタホームでは1階の床梁部分にセキスイハイムと同様にZAMを施工し、その上にリン酸亜鉛皮膜を塗装しています。
さらに、その上からカチオン電着塗装をしているので、よりサビに強いといっても過言ではないでしょう。
雪道や雨道などを走行する車の底部分や足回りにカチオン電着塗装が施されていることを考慮すると、よりシビアなコンディションでもサビに耐えられるのはカチオン電着塗装という見解でしょうか。
ただ、あくまでもつくねの主観も入っているので、セキスイハイムのZAMがダメという話ではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。
基礎の造り方が違う
トヨタホームでは布基礎が標準となっており、セキスイハイムではベタ基礎が採用されています。
基礎だけで考えると、ベタ基礎を採用しているセキスイハイムのほうが優れているかなと思われる方も多いかもしれませんが・・・。
最近のトヨタホームでは基礎断熱を採用したり、防湿コンクリートを使ったりしている場合もあるので、甲乙つけがたいといえるでしょう。
※どう考えるかは個人の判断に委ねられます。
トヨタホームとセキスイハイムでは根本的な基礎への考え方が違うので、「絶対にベタ基礎が良い!!」という方にはトヨタホームは不向きかもしれません。
外壁材への解釈が違う
トヨタホームの外壁にはサイディングを使用するのが一般的です。
通常、サイディングなどの外壁材は外壁塗装を定期的に行わなければなりません。
そのため、イニシャルコストを抑えられたとしても、メンテナンスにお金がかかってしまいます。
一方、セキスイハイムではメンテナンスが必要ないタイルを標準採用しており、家を建てた後もできるだけコストがかからない家づくりを行っています。
ただし、トヨタホームではタイルに対して少し消極的なイメージがあるようです。
というのも、トヨタホームでは「外壁タイルは化粧材であり、化粧材を貼ることで外壁の確認ができなくなるので、外壁ボードの雨水処理等の機能をチェックできなくなってしまうことから外壁の長期保証を提供することが難しい」という見解が一部であります。
つまり、タイルを貼ることで外壁ボードの雨水処理チェックができなくなってしまうので、長期保証が難しいということ。
外壁については何を選ぶかが非常に重要なポイントになりますが、ハウスメーカー各社で見解が異なるので、どれを選ぶかはしっかり確認した上で決めたほうがよいでしょう。
ちなみにトヨタホームでもタイルを選べますが、オプションとなってしまうのが、費用がグンっと上がってしまいます。
ただ、気になるのは最近トヨタホームから総タイル仕様のバリュースペックというものが新登場したことです。
(2022年8月現在)
やはり、タイルニーズがあるからか、タイルも推していきたいのかな?と思いましたね。
トヨタホームがおすすめの人
※トヨタホーム公式ホームページより
ここからはトヨタホームがおすすめの人をつくねの独断と偏見でお伝えしていきます。
間取りの自由度を求める
間取りの自由度を求めるならトヨタホームがおすすめです。
同じユニット工法であっても、ユニットの種類が細かく分かれているので、セキスイハイムよりも間取りの自由度が高いといえるでしょう。
縦(短手方向) |
1250mm | 2500mm |
横(長手方向) |
3250mm |
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3750mm |
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4250mm |
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4750mm |
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5000mm |
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5250mm |
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5750mm |
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6250mm |
6.25m, 5.75m, 5.25m, 5m(直交配置用),4.75m, 4.25m, 3.75m, 3.25m×1.25m, 2.5mというさまざまな大きさのユニットを組み合わせて家をつくっていきます。
さらに、ワイドスパン工法という特殊な技術があり、ユニットの一部の柱を抜くことができるのです。
6.25×2.5mのユニットを組み合わせると柱が邪魔
ユニットを組み合わせて空間を作っていくのですが、ユニットの四隅には柱が付きます。
トヨタホームの柱は125mmなので、2本の柱が重なると250mm(25cm)となるので、結構邪魔になってしまいますよね。
広いリビングを取りたい場合など、大開口を求めるなら不利なイメージがありますが・・・
ワイドスパン工法で柱を抜ける
ワイドスパン工法で邪魔な柱を抜くことが可能です。
※赤丸部分
大開口を実現
トヨタホームでは間取りの制約が多いとされるユニット工法でありながら、ワイドスパンを採用することで最大35畳の空間を柱なしで実現できます。
※梁は必要
全館空調を採用したい
基本的にほとんどのハウスメーカーや工務店で全館空調を採用することは可能ですが、トヨタホームでは比較的安く全館空調を導入できます。
というのも、トヨタホームではトヨタグループのデンソーの全館空調システムを採用しているので、他のハウスメーカーよりも費用を抑えて全館空調を採用できるのです。
トヨタの全館空調は建物の大きさなどによって金額は異なるものの、約120万円が基本価格となります。
しかし、トヨタホームでは全館空調を推していきたいという思いがあるのか、値引きやキャンペンーンなどで、かなりリーズナブルな価格で採用できます。
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車がトヨタ車/レクサス車
車がトヨタやレクサス車であれば、トヨタホームの非常時給電システムである「クルマde給電」が使えます。
万一の停電時でも車から電気を建物の中に給電できるので、非常時でも電気を使うことが可能です。
昨今の家づくりでは太陽光発電や蓄電池、さらに非常時の給電システムなど、どうやってエネルギーをつくるのか、そしてどうやってエネルギーを消費するかを重視して計画されることが多いです。 今回はトヨタホームのクルマde給電について紹介します。[…]
トヨタグループ社員
トヨタグループの社員であれば、大きな割引があるので他のハウスメーカーで建てるよりもお得に注文住宅が建てられるでしょう。
とはいえ、トヨタグループの社員だからといって、必ずトヨタホームで建てなければダメというわけではないそうです・・・。
金額を抑えたい
「鉄骨メーカーが気になるものの、どこも金額が高い!」と悩まれている方も多いでしょう。
しかし、トヨタホームは他の鉄骨メーカーよりも比較的安く注文住宅を建てらることが多いです。
鉄骨住宅を扱う積水ハウスやセキスイハイム、ダイワハウスやパナソニックホームズよりもコストを抑えた家づくりができるでしょう。
セキスイハイムがおすすめの人
※セキスイハイム公式ホームページより
ここではセキスイハイムはどういう方におすすめなのか独断と偏見で紹介していきます。
外壁をタイルにしたい
※セキスイハイム公式ホームページより
外壁をメンテナンスフリーのタイルにしたいならセキスイハイムがおすすめです。
トヨタホームでもタイルを選ぶことは可能ですが、オプション扱いとなってしまうので、割高になってしまいます。
また、トヨタホームとセキスイハイムでは使用されているタイルの種類が異なり、セキスイハイムのタイルのほうが耐久性に優れているといえるでしょう。
木造も検討したい
鉄骨ではなく、木造も併せて検討したい場合はセキスイハイムのほうが検討しやすいです。
セキスイハイムでは鉄骨以外にも木造住宅がラインナップにあるので、選択肢が多いのが特徴。
一方、トヨタホームは新しく木造住宅「MOKUA」を商品ラインナップに追加しましたが、まだまだ新しい商品なので施工実績がそこまで多くありません。
したがって、木造住宅も検討したいなら、施工実績の多いセキスイハイムのほうがおすすめといえるでしょう。
ベタ基礎が良い
※セキスイハイム公式ホームページより
トヨタホームでは基本的に布基礎を標準採用していますが、セキスイハイムではベタ基礎を標準採用しています。
それぞれのメリットやデメリットについては、さまざまな解釈がありますが、最近はベタ基礎が主流になっているでしょう。
そのため、ベタ基礎を希望する場合はセキスイハイムのほうがおすすめです。
また、トヨタホームの場合、基礎断熱を採用するにはオプション扱いとなるので追加料金が発生しますが、セキスイハイムでは基礎断熱が標準採用となっています。
そういった面からも基礎については、やはりセキスイハイムに軍配が上がるでしょう。
大手ハウスメーカーの安心感がほしい
セキスイハイムは積水化学工業の住宅カンパニーという事業ブランドの1つであり、長年にわたり日本の注文住宅業界を支えてきました。
積水化学工業は住宅建材や高機能プラスチック、管工機材など、さまざまな商品の開発、設計、製造を行っており、日本を代表するトップメーカーといっても過言ではありません。
そんなバックボーンがあるセキスイハイムは、多くの先進技術を活かした家づくりを行っています。
セキスイハイムの年間棟数は約1万棟、トヨタホームは約4,000棟なので、施工実績の多さは一目瞭然です。
トヨタホームのグループ企業であるトヨタ自動車は非常に大きなグローバルカンパニーですが、家づくりという面ではセキスイハイムのほうが経験、そして実績があるのは間違いないでしょう。
そのため、大手ハウスメーカーという安心感を求める方はセキスイハイムのほうがおすすめといえます。
まとめ
今回はトヨタホームとセキスイハイムの違いやそれぞれの特徴について紹介しました。
トヨタホームもセキスイハイムも、鉄骨ユニット工法で家づくりを行うという点では同じです。
工場生産なので、現場作業が少なく済むことから高品質な家を安定的かつスピーディーに供給できるのが両社の特徴といえるでしょう。
しかし、柱の厚さや塗装、外壁の考え方など、さまざまな部分で大きな違いがあります。
つくね自身がトヨタホームの施主ということもあり、トヨタホームをPRするような形になってしまったかもしれません。
ただ、セキスイハイムの外壁タイルや基礎断熱が標準採用というのは非常に魅力的なポイントだと思います。
今回紹介したトヨタホームとセキスイハイムの違いを参考にして、ハウスメーカー検討の1つの判断材料にしていただければと思います。